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TUESレポート

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研究紹介:世界初、1000日に及ぶイシサンゴの分裂過程を詳細観察! -深海底での効率的な個体数増加システムの解明-(徳田講師)

本学環境学部の徳田悠希講師は、原口展子特任助教(島根大学汽水域研究センター)、江﨑洋一教授(大阪市立大学大学院)との共同研究により、深海底で生息する単体サンゴが2つに分裂していく様子を、世界で初めて観察しました(図1参照)。その結果、分裂のために骨格を自ら溶かしていくこと、分裂が約1000日に一回のペースで生じること、さらには、効率的な個体数増加システムがサンゴに備わっていることがわかりました。本研究成果は、深海底に生息するイシサンゴがどのように個体数を増加させ、個体群を維持しているのかという、イシサンゴ類の多様化や生存戦略を考える上での貴重な手がかりになります。
この研究は、Nature Publishing Groupが発行する「Scientific Reports」において、論文が掲載されています。

研究内容はこちらから。(PDF:414KB)

 

図1:砂を掘って潜るタマサンゴ図1:分裂直後のクサビセンスガイ

 


 

【研究論文名】
First real-time observation of transverse division in azooxanthellate scleractinian corals(無藻性サンゴにおける横分裂のリアルタイム観察)


【著者】
徳田悠希(公立鳥取環境大学・鳥取県立博物館)、原口展子(島根大学汽水域研究センター)、江﨑洋一(大阪市立大学大学院)


【公表雑誌】
Scientific Reports(Nature Publishing Group)
発表論文URL:https://www.nature.com/articles/srep41762(外部サイトにリンクしています)


【研究成果のポイント】
○クサビセンスガイの長期飼育を成功させ、世界で初めて、共生藻のいないイシサンゴで体を上下に分裂させて個体数を増加させる様子を観察した。
○分裂は骨格を自らが溶かすことで生じ、約1000日に一回のペースで繰り返し行われる。
○本研究の成果は、イシサンゴの無性生殖システムがどのように進化し、イシサンゴの多様化や生存戦略に寄与してきたのかを知る上で貴重な手がかりとなる。
○この研究はNature Publishing Groupが発行する「Scientific Reports」において、論文が掲載されている。