平成29年3月4日(土)に本学大講義室(11講義室)において、公開シンポジウム 「ジオパークのこれから」を開催しました(参加者数 51名)
日本のジオパーク関係者を対象とし、山陰海岸ジオパークを含めた日本のジオパークの取組を一層発展させるとともに、山陰海岸ジオパークの日本におけるジオパーク活動の知の拠点としての確立を目指すための公開シンポジウムを開催しました。
公立鳥取環境大学地域イノベーション研究の吉永センター長の開会の挨拶の後、米国地質学会のウェズレイ・ヒル氏より「アメリカの国立公園における地形・地質の保全」と題した基調講演が行われました。ヒル氏は、国立公園の地質を住民に解説する際に、科学的な要素だけでなく、その地域に根付く伝説の要素も取り入れ、二つの要素から住民の興味をかき立てる工夫をしていると説明されました。また、土地柄そのような伝説がない場所でも、子どもと一緒に物語を作るなどしてその土地に対する愛着を抱かせるなど、教育的な目線での解説もありました。
その後、山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業の研究発表では兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科の郡山鈴夏氏、山本大寛氏による「北但層群といわゆる照来層群流紋岩類との地質学的関係の再検討」と題した、山陰海岸ジオパークの地質調査の結果と地域住民への還元方法について報告がありました。また、福井工業大学附属福井高等学校の安野敏勝氏からは「京丹後市北西部地域におけるジオツアー候補地選定のための基礎調査」と題し、視察先で発見した化石について報告がありました。
最後のパネルディスカッションでは、日本ジオサービス株式会社 代表取締役社長の目代邦康氏が進行を務め、ジオパークエリアの保全と、今後どのように活用していくべきかを討論しました。ヒル氏から、地域住民に説明する際は専門用語を多用せず、解説するポイントを絞ってガイドしてはどうかと提案がありました。聴講者、学生からもシンポジウムの感想や今後の改善点などの意見も上がり、活発な意見交換の場となりました。