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大学紹介

本学の概要や組織情報、施設案内等についてご紹介します。

環境学部

自然環境保全分野紹介

根本 昌彦 教授
森林資源管理学
根本昌彦教授
フィールドワークを重視し、森でたくさん経験してもらう。

私の研究室では、森林を巡る社会的および経済的な枠組みや諸問題について、ローカルからグローバルな視点まで幅広くアプローチすることをモットーにしています。フィールドワークを重視しており、学生には森林教育の啓発ができるようになって欲しいと考えています。例えば、市民に森林セラピーを提案したり、森についてのクイズを出したりなど、森林を通した楽しい交流を創り出せる人材が理想です。知識を身に付けるより、まずは五感で森を味わうことを大切にしています。シャワークライミングといった活動をみんなで楽しむなかで、森林に関する指導員などになるための経験が自然に積めると思っています。


知識と体験の両輪をキャンパス内外で回していく。

森林の課題と聞くとついマクロな視点になりがちです。社会と経済と環境という3要素の持続可能性を追求したり、SDGsのようなスローガンを共有したりするのも大切。でも、大事なのはそこに暮らす人と生息する動植物なのです。実際に森に分け入り、国内外の森林に思いを馳せて想像力を働かせたうえで人とコミュニケーションすることが求められます。知識と体験。両輪を回していくうえで、周囲に森がある本学は素晴らしい環境だと思います。最近も学生達と遊歩道を作ったり、キャンプ場を作ったりして、森林という現場に学生が身を置ける時間をたくさん設けています。


MYゼミレポート
山本 育実さん

環境学部(鳥取県出身)
自然環境保全分野:根本ゼミ

山本育実さん
ダイナミックな現場に感動。貴重な経験になってよかった。

私は農業高校出身でもともと林業に興味がありました。1年次からフィールドワークで安蔵森林公園に赴いて学び、2年次には智頭町でチェーンソーの実習なども経験しています。学びを深めるなかで、もっと獣害について掘り下げて対策を考えてみたいと思い、3年次から根本ゼミの所属となりました。
ゼミでは先輩が芦津渓谷で材木を運搬したり、森林セラピーをしたりするお手伝いをさせていただきました。そのとき、林業に従事されている方のどんな場面に遭遇しても臨機応変に対応する姿が印象的でした。大雨が降っても動じずに仕事をされていて、その冷静な姿勢に感銘を受けましたね。実際に身を置かないとわからないことばかりだったので、貴重な経験でした。


狩猟者の声に耳を傾けて、ジビエの処理について卒業論文を書きたい。

ゼミでは定期的に発表を行います。その際、根本先生にいただくアドバイスから毎回多くのことを学んでいます。根本先生はみんなに優しくいつも穏やかで、先生が感情的になった姿を一度も見たことがありません。同学年のゼミ仲間は10人いて、先生のご自宅でBBQをしたり、モルックというスポーツを一緒に楽しんだりして交流できました。少し前、念願だった「わな猟」と「第一種猟銃免許」を取得。今後は狩猟者の方にインタビューをして、ジビエの処理の背後にある問題などを見つけて卒業論文にしていきたいと考えています。根本ゼミはまず森林に興味がある方におすすめです。また、根本先生は森林に加えて動植物にも造詣が深いので、そういった学びに関心がある方もきっと学びを楽しめると思います。


循環型社会形成分野紹介

佐藤 伸 准教授
バイオマス変換化学/応用微生物学
佐藤伸准教授
キノコの力で加硫ゴムを分解し、再資源化を実現。

車のタイヤなど工業製品に使用されている加硫ゴムは、再資源化されることがあまりありません。その理由は成分が複雑で分解が難しいから。そんな社会課題に対して、キノコが有効だということがわかってきました。キノコが持つ自然の分解力で、廃ゴムが再資源化できるようになってきているのです。ゴム生産国であるベトナムやタイなどの教育機関と連携し、私たちは分解メカニズムの解析をしながら、社会に役立つ技術の確立を目指しています。また、その中で海外産ではなく、国産の菌を使うことにもこだわっています。


未解明な部分が多い分野。学生と一緒に研究がしたい。

循環型社会の構築が叫ばれていますが、その中に資源のリサイクルを入れたいと願っています。資源の利活用は社会において環境負荷を下げることに繋がります。キノコという自然由来の分解力はまだ未解明な部分が多いものの、今後の成長に大きな期待が寄せられています。学生の皆さんはすぐに結果を求めるのではなく、一緒にじっくり考えて欲しいです。私からあれをしなさい、これをしなさいとは言いません。一緒に研究がしたいのです。そして、脱炭素化と循環型社会の実現に貢献して欲しいと願っています。


MYゼミレポート
小畑 勇記さん

環境学部(和歌山県出身)
循環型社会形成分野:佐藤ゼミ

小畑勇記さん
微生物の活動に惹かれて、微生物学が専門の佐藤ゼミを選択。

2年次に佐藤先生の「応用微生物学概論」を受講し、目に見えないほど小さい微生物が社会の色々なところに関わっているのが面白いと感じました。お酒が好きでもともと発酵に興味があったこともありますが、キノコが食用だけではなく、ゴムの分解にも利用されることを知り、驚くとともに自分も研究したいと考えるようになりました。佐藤ゼミでは菌の培養や簡単な実験から始めました。ほんの少ししか菌を入れていないのに、1週間程度で爆発的に増殖する様子を見てすぐに菌の世界の虜になりましたね。程なくして先輩の発表会に参加し、「こんなに難しいことができるのだろうか」と不安になりましたが、自分自身の研究のイメージができるようになりました。


大手企業と組んで誰もしたことがない研究に邁進中。

佐藤先生はとても穏やかで、聞いたことを全て教えてくれます。相談も親身になって乗ってくれるのでとてもありがたいです。同学年のゼミ生は6人いて就職活動が終わった人から順に研究を掘り下げています。今は大手企業と組んで、カカオ未利用部位を暮らしに役立つ成分に変換できないか研究しています。カカオ未利用部分にはリグニンが含まれているため、取り扱いにくい材料ですが、キノコはリグニンを分解する力を持っているので、それをうまく活用できないか奮闘中です。培養など時間がかかって大変ですが、大学生でありながら誰もやったことがない研究ができてワクワクしますね。


人間環境分野紹介

加藤 禎久 准教授
緑地計画学/グリーンインフラ
加藤 禎久准教授
自然をインフラとして捉え、社会課題の解決に活かす。

NbS(Nature-based Solutions)という考え方があります。これは、水や緑など自然が持つ様々な機能を社会課題の解決に活かすアプローチです。課題とは具体的には、気候変動の対策、生物多様性の保全、貧富の格差などが挙げられます。自然を土木インフラと同じように、私たちの生活に不可欠なものと認識するところから始まります。グリーンインフラとは自然の恵みを土地利用や社会資本の整備に活かす考え方、またその取り組みを指します。皆さんにはまず、自然には無限の可能性があることを知って欲しいと思います。


行動、挑戦、質問、競争と協力。4つのモットーを大事に。

ゼミ活動では造園学会に参加したり、伝統的な庭園や最新の緑地に赴いたりなど、積極的に学外に出ることを心掛けています。屋上の緑化といった取り組みも、実は見た目の美しさだけではなく、表面温度の上昇を抑えたり、屋根からの排水量とスピードを抑えたり、生物の多様性を保全したりと様々な役割があることがわかってくると思います。学生の皆さんには、「とにかく動く」「何度でも挑戦する」「質問する」「助け合い、切磋琢磨する」という4つのモットーを守って、楽しみながら学んで欲しいと願っています。


MYゼミレポート
東谷 瑶喜さん

環境学部(岡山県出身)
人間環境分野:加藤ゼミ

東谷瑶喜さん
見慣れた風景も一変。自然が生活に与える影響の大きさを実感。

高校のときから環境には興味があり、部活でフェアトレードの活動などをしていました。環境大入学後、加藤先生の授業でグリーンインフラのことを知り、全く初めての学問分野にとてもワクワクしたのを覚えています。3年次からのゼミ選択では迷わず加藤ゼミへ。鳥取市役所の旧本庁舎跡地へのフィールドワークから学びが始まりました。私の地元の岡山にも演習で訪れたことがあるのですが、行き慣れていた場所が先生と見ると全く違った風景に映るのが驚きでした。壁面が緑地化され、地面が芝生の駐車場など地元の最新事例を見学することもできました。また、このときに同学年の5人のゼミ仲間とより仲良くなれたのもよかったです。


個性的な授業、個性的な先生、個性的な仲間。それが加藤ゼミ。

卒業論文は都市公園の運営やサイトデザインをテーマにしたいと考えています。街と緑の関係についてもっと深く学びたいです。ゼミを通して、自然が街や生活にどう影響を与えるのか?という視点が育まれていったように感じます。このゼミは「個性的な授業、個性的な先生、個性的な仲間」がキャッチフレーズみたいなところがあります。加藤先生はお喋りが好きで気さくな方です。内容は専門的で難しいのですが、解説が丁寧なので心配は要りません。環境学部は1・2年次から環境について幅広く学べますし、3年次からはより専門的になっていきます。もしまちづくりに興味があるなら、加藤ゼミは特におすすめです。


教職課程

教員採用試験合格レポート
橘 京佑さん(2023年度卒業)

環境学部(愛知県出身)

橘京佑さん
道徳の授業から最先端の授業まで幅広く学ぶことができた。

中学の頃から学級委員をすることが多く、当時の先生から「君は教員になるだろう」と言われ、自然と教員を目指すようになりました。大学の講義で印象に残っているのは前田先生の道徳の授業です。正解がない中、どのような授業をすればいいのか悩みましたね。理科の教員になるので「理科指導法1~4」は大変勉強になりました。千代西尾先生のICTを活用した学習指導も視野が大きく広がることに。電子デバイスを各自が持って、Googleのスプレッドシートをリアルタイムで反映させながら授業を行うのです。最先端の指導法を感じることができました。


環境大で学んだことを胸に他者を尊重できる生徒を育てる。

地元の愛知に戻るか鳥取に残るか迷っていたのですが、悩んだ末、学生生活で好きになった鳥取を選ぶことにしました。試験勉強は大変でしたが、先輩からアドバイスをいただけてとても力になりました。教育実習では、お世話になった先生から学級経営の方法と楽しさを間近で学ぶことができました。今後は他者を尊重できる生徒を育てていきたいと考えています。理科の教員としては、日常の中に潜む理科の現象を楽しく気付かせてあげられるようになりたいですね。


MYゼミレポート
田中 杏華さん

環境学部(愛媛県出身)
教職課程:重田ゼミ

田中 杏華さん
授業を作る講義を受け、面白い授業作りの大変さを実感。

中学のとき、当時の先生のおかげで苦手だった理科が好きになった経験があります。花を育てている先生で、教科書の中だけではなく現実の中で学ぶことの大切さを教えてくれているようでした。そんな経験もあり、高校1年のときには将来、教員になろうと決めていました。教職課程を選択し、2年次に教育心理学など導入的な講義を受けるようになり、大変だけど充実した毎日を過ごしました。3年次になって授業を作る講義を受けるようになると、面白い授業を展開することがいかに大変か気付かされました。同時に、建物の窓や田んぼへの光の反射、乗り物の摩擦など、日常生活の中に理科に関するものがたくさんあることに気付くこともできました。


教職ゼミ室に行けば、同じ夢を目指す仲間達がいる。

環境大に進学してよかったことの一つが、ゼミ室を自由に使えること。そこに行けば仲間がいて情報交換できるし、教員採用試験の勉強をすることもできます。教職課程を選択しているのは同じ学年で15人ほど。支え合いながらそれぞれの夢を目指しています。以前は理科さえ教えられたらいいなと思っていましたが、色々な話を聞くなかで担任もやってみたいと考えるようになってきました。生徒の心に寄り添える教員になるのが今の夢です。これまでは自分と同じ大学生を相手に授業をしていましたが、教育実習では中学生が相手。半分不安でドキドキしていますが、もう半分は楽しみで待ち遠しくも感じています。夏には試験もあるので猛勉強中です。

経営学部

企業経営分野紹介

竹内 由佳 准教授
マーケティング/消費者行動
竹内 由佳准教授
マーケティング思考を身に付け、社会課題も解決へ。

「マーケティング」と聞くと「モノを売ること」だと思う人が多いのですが、私は「価値提供」が本質だと捉えています。世の中にどんなニーズがあるのかをまず掴み、そこから逆算してどういう価値を与えられたらいいのかを考えるのです。そのビジネス的な要素の強いマーケティングの考え方を、社会課題の解決に応用するのが「ソーシャルマーケティング」という概念です。鳥取県の社会課題としては具体的には、獣害があったり、旅行者が少なかったりなどが挙げられると思います。


ジビエをPRしながら、たくさんのことを学べる。

このゼミでは、多種多彩な社会課題に対して、ソーシャルマーケティングで「実践」することを大切にしています。ゼミ活動では2019年から鹿肉を通して、ジビエをPRする活動をしてきました。同時に、本学や鳥取県の魅力を発信。獣害、観光、そして大学の課題を解決しようというチャレンジです。学園祭への出店や企業とのコラボ企画など、実際にやってみて学ぶことはたくさんあります。このゼミで学ぶことであらゆることを顧客目線で考える、マーケティング思考が身に付くはずです。情報をただ得るだけでなく、そこを噛み砕いて自分の意見を創り出し、発信できる人になって欲しいと思います。


MYゼミレポート
大原 範之さん

経営学部(鳥取県出身)
企業経営分野:竹内ゼミ

大原 範之さん
鹿肉をもっと身近に!の掛け声で大学祭に出店して調査。

経営学を学んでみたかったのと同時に、環境分野も学べることに魅力を感じて環境大を選びました。入学後、竹内先生の授業をはじめ様々な先生の授業を受ける中で、特にマーケティングに興味を持つようになりました。
ゼミ選択時には、鳥取市出身の自分でも知らなかった地元企業の活動を学べることや明るく活発なゼミの雰囲気に惹かれて竹内ゼミに決めました。
ゼミでは「鹿肉をもっと身近なものにしよう!」というテーマに取り組み、ミートボールのレシピを考案して大学祭に出店しました。様々な方に意見調査を行うなかで、ゼミ生同士の仲も深まる貴重な経験となりました。


堅苦しいイメージは皆無。竹内ゼミはいつも賑やかで楽しい。

地元のスーパーマーケットで、子育て世代向けのお弁当開発をしたのも貴重な経験となっています。実際にビジネスをされている方がどんなことを考えるのか、間近で見ることができたからです。地産地消を子どもに伝えるため、イベントで自作の紙芝居を披露したこともありました。小さな子が一生懸命聞いてくれてやりがいを感じましたね。振り返ってみると、ゼミを通して本当に色々な活動ができてよかったと思います。大学のゼミと言うとひたすら研究に没頭するイメージを持つかもしれませんが、竹内ゼミはいつも賑やかで毎回楽しみです。竹内先生はゼミ生一人ひとりの本質を見抜くのが上手。そして、身の回りのことを全てマーケティングに絡めて考えるので、マーケティング思考を身に付けることもできます。


会計・ファイナンス分野紹介

川﨑 紘宗 准教授
管理会計/会計史
川﨑 紘宗准教授
アメリカで誕生した管理会計の導入の歴史も研究。

会計の一種である「管理会計」は企業内部の戦略の意思決定や業務コントロールに必要な情報を提供してくれます。また、それは原価計算によって算出された情報を活用して、企業活動をプランニングするマネジメントツールでもあります。もともとアメリカで20世紀初頭、多くの事業が巨大化していく中で経営管理者に意思決定に役立つ会計情報を提供する必要が生じて誕生した管理会計。管理会計の一分野である予算管理は、特に政府において初期は使われ、それが企業に波及していったとされています。私はそんな管理会計の導入過程も研究しています。


会計が本来持っているパワーに気付いて欲しい。

次第に会計というものが確固としたものではなく、経済状況や政治状況によって変化するものであると考えられるようになりました。つまり、ただ便利なツールとして使うだけではもったいない側面があると思うのです。会計事象の背後にある経済や政治状況を合わせて考えることで、もっと快適に会計学の視点をカスタマイズすることもできるし、そういう余白が実はあります。私の研究室では会計が持っている底力に気付いてもらい、会計を使いこなすための考え方もお伝えします。


MYゼミレポート
山梨 裕生さん

経営学部(静岡県出身)
会計・ファイナンス分野:川﨑ゼミ

山梨 裕生さん
研究テーマそのものに加えて人間性に惹かれて川﨑ゼミを選択。

父が銀行員ということもあってもともと経営学部を目指していましたが、環境学部の授業も受けられることに魅力を感じて環境大に進学しました。2年次の「プロジェクト研究」を担当してくれたのが川﨑先生。もちろん研究テーマそのものにも関心がありましたが、学生に寄り添ってくれる人間性にも惹かれて私は川﨑ゼミを選びました。ゼミは管理会計の書籍を輪読するところから始まります。ただ読むだけではなく、各自が担当するパートのスライドを作成して発表します。そうすることで、書籍の内容の深い理解につながっています。


学んでいくなかで行政のマネジメントシステムに興味が出て深掘り中。

川﨑ゼミでは班ごとに発表するため、ゼミ生同士で自然と協力し合うようになります。責任感も生まれてチームの結束も深まっていきます。ゼミでの学びが進むなかで、私は行政におけるマネジメントシステムに興味を持ちました。アメリカやオーストラリアと比べると、日本のシステムは遅れているように感じ、それを研究で深めることに。主に行政の評価システムにおいてなのですが、なぜ日本の制度に不備が生じたのか、その理由を探っているところです。発表のたび参考になる文献を薦めていただけるので、知識が積み上がっていく感覚があります。今後は行政システムの改善点を指摘するだけでなく、建設的な提言もできるようにしたいです。


地域経営分野紹介

山口 和宏 准教授
地域振興論/農業経済学
山口和宏准教授
地域全体で農業を盛り上げるにはどうしたらよいのか。

農業の生産者にとって消費者はもちろん重要ですが、卸売やJAなど農業関連産業、いわば協力者の存在も欠かせません。それらが一体となって地域を盛り上げるためにはどうすればいいのか研究しています。最近では持続可能な農業経営が求められ、地域全体で取り組む事例も増えてきています。日本にも先進事例はありますが、有機栽培の認証など遅れてしまっている面も。例えば今、ヨーロッパではエコや有機の認証がないと消費者から支持されません。日本では付加価値とされるものがもはやスタンダードになっているのです。


まず現場に行く。そんなフットワークの軽さを。

ドイツやオーストリアなどヨーロッパに行くことで、日本の農業に足りない部分を感じることができました。学生の皆さんにも、疑問や興味があったらまず現場に行ってみるというフットワークの軽さを持っていただきたい。情報はインターネットや本より、何より自力で収集するものです。興味を持ったら、自分で確かめないと納得しない。このゼミは、そんな学生にぴったりな研究室かもしれません。ゼミはまず『新しい地域をつくる 持続的農村発展論』等といった専門的な書籍を輪読するところから始めます。まずは論文という形式に慣れてもらってから、研究を進めていきます。


MYゼミレポート
宮原 直宏さん

経営学部(岡山県出身)
地域経営分野:山口ゼミ


先生は自分のイメージを具体化させてくれる人。

高校の頃、オープンキャンパスの模擬授業で地域振興のことを知って興味を持ちました。もともと社会科が好きだったこともあったかもしれません。1、2年次に地域経営の授業を受けてやはり楽しかったことから、山口ゼミを第一希望にしました。同期のゼミ生は10人いて前期は文献を輪読し、知識の土台を作りました。発表はグループで行いますが、各自で論文を調べてみんなの前で発表します。山口先生は自分の漠然としたイメージを具体化させてくれる人、という印象があります。何となく考えていることを形にするためのアドバイスをしてもらえるので、いつも新しい発見があります。私は旅行や鉄道が好きだったことから、卒論では交通というテーマを深めることにしました。


旅行好きなので交通をテーマに。情報収集のため現地入りも。

数ある交通というテーマの中でも、私は北陸新幹線開通による地域への影響を掘り下げることにしました。東北新幹線や九州新幹線など他の事例を調べているのですが、好きな分野なので難しい文献にあたっていても特に苦には感じません。ただ、データの収集が大変で、数字をどう読み解くかも難しいと感じます。例えば、人口増や地価の高騰などどんなデータをどう判断するのか、そう簡単にはいかないのです。先生からは「情報が揃わない部分は自分で調べよう」とアドバイスいただいたので、現地に行ってリアルな声を聞こうと思っています。交通への興味や旅好きが高じて、今はツアー企画など旅行業の仕事を希望しています。就職活動の際、ゼミで経験したことや研究したことはアピールポイントになると感じています。


経営情報分野紹介

染谷 治志 教授
情報システム学/システム工学
染谷治志教授
デジタルツールは使い方次第でもっと楽しいものになる。

私たちの生活において、今やスマートフォンなどのデバイスは欠かせないツールになっています。こうしたデジタルツールは使い方次第でもっと効率的で、便利で、楽しいものになる可能性があります。例えば、美術館では一つの作品に対してどんな背景を持った人にも基本的には同じ説明をしています。これを子ども用にわかりやすくしたり、リピーターにはもっと踏み込んで詳しい説明をしたり、ユーザーの経験値によって提供する情報を変えられたらより豊かな体験価値を提供できます。


ツールを自在に操るために必要な「システム思考」。

新たなソリューションを考える際のポイントは3つあります。1つ目は俯瞰でみること、2つ目は構造を理解すること、3つ目は論理的になること。以上を踏まえた「システム思考」で情報活用の方法をデザインすることが求められています。ゼミ生の皆さんには直観力を大事に、興味のあることを何でもやってみて欲しいと思います。皆さんが今、常識だと感じていることが常識ではなくなり、これまでの経験が通用しなくなるときがくるはず。だから常に新しいことを学び、考える必要があると私は思います。


MYゼミレポート
福谷 楓さん

経営学部(兵庫県出身)
経営情報分野:染谷ゼミ

福谷 楓さん
観光、猫、映画、音楽。テーマが多岐にわたるのが面白い。

環境を視野に入れた経営のことが学びたくて、環境大の経営学部を選びました。染谷先生のDX(デジタルトランスフォーメーション)の授業は、身近だからこそ盲点になっていた事例が豊富で新鮮でしたね。それも後押しとなって選んだ染谷ゼミはとにかくテーマ設定が自由で、観光や保護猫活動、映画などゼミ生によって全く内容が異なるのが面白いところです。女子が5人、男子1人という小規模なゼミで、クリスマス会を開催するなどゼミ生同士が仲良しなのもいいところ。来年はカヌーやBBQなどアクティビティも増やしていくと聞いているので、とても楽しみにしています。ゼミの堅いイメージはあまりなく、楽しい雰囲気が特長です。


音楽フェスティバルによる地域活性を卒業論文のテーマに。

小さな頃から音楽が好きだった私は「音楽フェスティバルによる地域活性」をテーマに設定しました。鳥取県は「蟹取県」や「星取県」などPRを積極的にしています。ここに新しい取り組みを足せたらもっと観光客で大賑わいする可能性があると感じます。例えば、福島県や長野県の音楽フェスティバルのHPを見ると、地域活性のことが明記されていたりします。鳥取でも地域活性を視野に入れた、音楽フェスティバルがあったらいいなと思うのです。今後はイベントの主催者などに聞き取り調査を行い、自分なりの知見を深めたうえで、鳥取県に対して経済効果のある具体的な提案ができるようになるのが今の目標です。